ダイヤモンドエイジ 上巻

ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ナノテクノロジーが発達し、国家が解体された世界で、上流階級の男が孫娘のための少女向けの教育用読本型の装置の開発を依頼するのだけど……という話。ただしこのあらすじがつかめるまで前置きが長い。短編SFを読むのに慣れてしまうと、最初もしくはその次くらいのシーンに登場した人物が重要な登場人物だろうという暗黙の前提のうちストーリの先行きを予想しつつ読む癖がついてるので、上巻の最初の1/3くらいはあっちこっちにとぶエピソードにまどわされて、どんな話になるのかつかめずに読むのに苦労しました。

主要登場人物がどうにか把握できて、偶然教育用読本「プリマー」を所有することになった少女ネルがプリマーを読み始めると、ぐっと話が締まっておもしろくなります。あとは下巻で。