スカイ・クロラ

実に対照的な作品でした。

オープニングからお腹に響く爆音と共に描かれる空中戦、オールドファッションなプロペラ機。本気で実写と見紛うばかりの美麗な画や映像効果にも驚きました。映像作品としては至上の一品と言っていいでしょう。

このように道具立ては完璧に大人向けなのですが、語られる物語は子供向け、というかまるっきりジュブナイルでした。ネタもオチもまるわかりだったので、これはラストどうするかだなーと思って観ていました。まあラストも予想の範疇だったと言えます。それから今作ではラブシーンが少々出てくるのですが、これの演出がもう、中学生が考える「オトナの恋愛ってこんなのかな」みたいな感じで、いやー全然だめですよあれは。

そういえば、最後に函南優一がティーチャーに向かう時、字幕には「ティーチャーを撃墜する」と表記されていましたけど、実際には "I'll kill my father." と言ってましたね。あそこの father が比喩なのか(どこかのガイドブックには「戦闘機乗りにとって父のような存在であるティーチャー」みたいな解説がされてた)、それとも何らかの確信が彼にあったのか、そこは少し謎です。