シュレディンガーのチョコパフェ

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

山本弘のSF短編集。

「七パーセントのテンムー」は脳科学の最近の知見を題材とした短いけど面白い作品。わたしたちは「意識」と簡単に言うけれど、この脳の「機能」はいったい何なのか、ちょっとコワいけど考えさせられる切り口で料理されています。

失礼ながら山本弘さんは文章がとても上手というわけではなくて、そのかわり胸をカッと熱くするストーリテリングがよくて、そいうい意味では「バイオシップ・ハンター」も良かった。やっぱり山本弘といえばソードワールド第一期リプレイのGMなんだよなぁ、わたしにとっては。この作品にもあのデルヴァの砦でのやりとりのアツさが根底にあるように思えてならない。

なので「メデューサの呪文」みたいな変化球とか表題作「シュレディンガーのチョコパフェ」のようなオタク語りが前面に出された作品はちょっと引いて読んでしまう。

そんな多彩な作品が収録された1冊でした。