ruby-trunk-changes 2022-09-17

今日は先日の macOS でのリンカオプション -undefined dynamic_lookup の削除の影響で一部の拡張ライブラリがビルドできなくなった問題の対応や Unicode のヘッダファイルの構造変化への対応などがありました。

[5b735d0beb] Takashi Kokubun 2022-09-16 11:44:58 UTC

YJIT の JIT コンパイルで生成する機械語で icache (命令キャッシュ)のクリアをするタイミングをラベルの解決処理後に移動しています。ラベル解決処理時にコードが変更になってサイズが変わる可能性があるので SEGV することがあったみたいです。 https://github.com/ruby/ruby/pull/6388

[64200990c4] Peter Zhu 2022-09-16 13:47:32 UTC

IO#gets や IO#each_line の rdoc 用コメント内のリンクのマークアップの間違いを修正しています。

[b07db96744] Jeremy Evans 2022-09-16 17:25:15 UTC

irbコマンドラインオプションに --script および --noscript を追加して、引数に渡された文字列をスクリプトとして読み込む挙動を制御できるようにしています。また "-" をファイルのかわりに標準入力からスクリプトを読み込んで実行するという挙動をするように変更しています。irb にファイルを読ませるのはともかく標準入力から読ませたいってどういう需要があるんでしょうね。それもう ruby を実行すればいいような気も。 [ruby-core:90239] [Feature #15371]

[e3a32abe2e] git 2022-09-16 17:25:39 UTC

version.h の日付更新

[6898984f1c] Nobuyoshi Nakada 2022-09-17 03:09:34 UTC

Xcode 14 でリンカオプションの -undefined dynamic_lookup が警告を出すようになってしまったために c428fc0e1f00ad1176f42157ea9df8d3d19dbd1c で configure 時のチェックでこのオプションを削ってましたが、一部の拡張ライブラリがビルドできなくなったという問題が発生したみたいで、ビルド時の警告有無をチェックして警告が出る時は追加はしないけど ADDITIONAL_DLDFLAGS という変数に格納しておいて mkmf.rb で拡張ライブラリ用の Makefile を生成する時には追加するようにしているようです。 [ruby-core:109905] [Bug #19005]

[76c0056505] Nobuyoshi Nakada 2022-09-14 09:03:48 UTC

tool/enc-unicode.rb を Unicode のヘッダファイルの構造の変更に追随させるよう変更しているそうです。14.0.0 から変化してたとのこと。

[03ce48dac7] Nobuyoshi Nakada 2022-09-14 09:56:51 UTC

tool/enc-unicode.rb で 15.0.0 でまた Unicode のダウンロードしてきたヘッダファイルの構造が変化しているとのことで、まだ Unicode 15.0 に更新はされていないですが対応しています。

[e9982fd679] Nobuyoshi Nakada 2022-09-14 10:00:23 UTC

common.mk の UNICODE_EMOJI_VERSION 変数を決め打ちで書いてたのを UNICODE_VERSION を make の Substitution References という機能で分解して取り出すようにしています。

[ca4cbe59ed] Nobuyoshi Nakada 2022-09-14 10:15:45 UTC

enc/unicode/case-folding.rb を tool/enc-case-folding.rb に移動しています。