ruby-trunk-changes 2023-10-02 - ruby trunk changes

今日は主にキーワード引数を含むメソッド定義でのメモリリークの修正や NODE の構造体の使いかたに関するリファクタリングの続きなどがありました。

tool/enc-unicode.rb で flip-flop 文法を利用するように条件分岐を書きかえています。ついでに文字列のマッチに正規表現を使ってたのを String#start_with? を使うようにしています。

キーワード引数をもつメソッド定義のコンパイル時の callinfo の領域がメモリリークしていたのを修正しています。 [ruby-core:114925] [Bug #19906]

tool/enc-unicode.rb の正規表現に 16進数に使う文字クラスのために "\h" を利用するようにリファクタリングしています。

Kernel#spawn の rdoc 用コメントのサンプル追加。 https://github.com/ruby/ruby/pull/8575

parse.y でまだ NODE を使っていたところで専用の構造体 rb_node_fcall_t を利用するようにしています。

parse.y で引数の NODE へのアクセスのための get_nd_args() という関数を導入するリファクタリング。

fdc329ea6f5bce922e95645a0c2118cfd3e1cdea と同様に compile.c で引数や receiver を表現する NODE へアクセスするための関数群 get_nd_recv()、get_nd_mid()、get_nd_args() などを導入するリファクタリング。

parse.y の node の種類毎の構造体から不要なメンバーを削除しています。

compile.c の private_recv_p() で nd_type_p() に渡す前に NODE のポインタの NULL チェックを追加しています。

bundler の bundle gem で生成する新規プロジェクトの Rakefile に拡張ライブラリを含む gem のための Rake::ExtensionTask.new に Gem::Specification を渡すようにしています。

bundler の ruby のバージョンの指定で preview 版のバージョン名に対応するようにしているようです。

拡張ライブラリ psych のテストに Psych で扱える YAML の文字数に上限を設定できる場合(JRuby で snakeyaml を利用している場合そうらしい) Psych::Parser.code_point_limit のテストを追加しています。

拡張ライブラリ psych の JRuby 版で利用する SnakeYAML のバージョンを 2.7 に更新しています。

parse.y の %printer に渡すブロックの型の指定が <node> だけでなくなったので列挙するようにしています。

RubyVM::InstructionSequence.compile の rdoc 用コメントに File オブジェクトも渡せることを明記しています。