今日の日経産業新聞のインタビュー記事でThe Big Issueという雑誌の存在を知りました。
この雑誌の特徴は「ホームレス(のみ)が販売権を持つこと」です。作製・著作ではなくて販売です。書店におかずホームレスの手で販売されるということです。
The Big Issueの目的はホームページに依れば
http://www.bigissue.com/bigissue.html
- Enable homeless people to earn a legal income through opportunities to help themselves
- Invest profits in services to help homeless people and Big Issue vendors tackle obstacles to them helping themselves
- Provide people with a voice in the media
- Produce a quality magazine which engages readers with issues that affect their lives but are overlooked by other media
- Provide an example of a socially responsible business and an alternative to conventional charity as a response to homelessness
だそうです。
資本関係はないみたいですが、現在ではこの考え方は世界中に広まっているようで、去年からビッグイシュージャパンも創刊されているようです。大阪・神戸・京都・東京とまだ販売されている場所は限定的ですが。(ちなみにこのサイト私のMozillaでは文字化けするので手動で文字コードをSJISにする必要があります。サイトはちょっとへぼい)
ビッグイシュージャパンのサイトのビッグイシュー誕生の経緯の文章が振るっています。
ホームレスの人の表現活動に重きをおく雑誌ではなく、 誰もが買い続けたくなる魅力的な雑誌をつくり、 ホームレスの人たちにはその雑誌の販売に従事してもらう というポリシーで、1991年にバード氏はロンドンで 『ビッグイシュー』を創刊した。 その結果、大成功を収めた。
1991年にゴードン・ロデックから調査を依頼された時、 彼はとりあえずホームレスの人々と話すことからはじめた。 その頃、路上生活者や物乞いをする人々の数が増え、 大きな社会問題となっていた。 ある日20歳くらいのホームレスの青年にストリートペーパーの話をし、 意見を聞くと 「売ることかい?物乞いに比べりゃ、何だっていいよ」 と言った。 その一言が彼にスローガンを与えた。 「物乞いをするくらいなら、何でもする」。 ホームレスの人々は怠け者で自ら進んで物乞いをしている、 と言う人々に突きつけてやれるスローガンだった。
慈善活動じゃなくあくまでビジネスモデルとしてシステムを確立している点が凄いと思います。これが広がり増殖していくにはもっと周辺領域を巻き込んでいく動きが必要な気がしますが。
もう一つには、私としてはホームレスをベンダーに据えるだけでなく、ツールを提供してライターにできないだろうかと思います。日本ではホームレスといえほぼ100%読み書きはできます。また比較的教養の高い人も多いと思います(私が高校生の時は「ポスドクでも食えずに路頭に迷うやつはごまんといるぞ」と脅されたものです)。実際ライターとして通用する人は一握りでしょうけど、彼らの視点から見た日本・世界というものを教えて欲しいのです。
とりあえず機会があったら新宿に出かけて一度買ってみたいと思います。
なおビッグイシューの販売員は顔写真入りの販売員証をもっているそうです。「まじめに働いている販売員の生活を守るために、ルールを守らない人から買わないようご協力をお願いします」とのことですのでご注意ください。