あさきゆめみし

源氏物語では夕顔が一番好き、という人がいたらちょっと疑ってかかってみるのがいいと思います。
実は源氏物語を頭から読み出して、「夕顔」のあたりで挫折してしまったのかも。
あのあたりまでしか読んでいなければ、夕顔は特徴的で魅力あるキャラクターとしてかなりの位置を占めることができますものね。

というわけで、わたしは源氏物語では夕顔が一番好きです。夕顔への思い入れは結構深くて、子供の頃名前を変えることのできる RPGゲームのヒロインはたいていユウガオでした。
ええまあ、最初に読んだ時はまだ子供だったのであの辺で挫折してしまったんですよね。
で子供の頃はマンガは活字に劣るとかいう妙な思い込みもあって、わたしは(最初だけとはいえ)活字で読んだんだから、マンガなんて読まないもんね、と「あさきゆめみし」はスルーしてきたのでした。

ところがここしばらく我が家では「あさきゆめみし」が大ブームでした。文庫版5巻、源氏編を読み終えてしまいました。
すばらしい。こんな大河的な壮大な話だったなんて。こんなすばらしい作品をへんな意地で読み逃していたなんて、もったいない。今度はちゃんと現代語訳で読もう、と心に決めたのでした。

それにしても、女三の宮ですよ。三の宮の降嫁以来ずーっとなにやらうらがなしい雰囲気が漂っていて、5巻は読んでいて悲しくなってきました。紫の上の心情の機微とか。なんでこんなことになっちゃったんだろう、みたいな。
宇治十帖編は光源氏の没後だし、やはりちょっと気が抜けてしまいますよね。