- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2006/11/23
- メディア: 文庫
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山本弘さんの小説。文庫になってたので購入。
今山本さんを知っている人のどれくらいが「スチャラカ探検隊」のGMとしての山本さんを知ってるんでしょうね。
最近は「と学会」の人として知られているんでしょうか?
なんとなくわたしには山本さんの姿勢はGMとしての「モンスターたちの交響曲」とかサーラシリーズ*1と変わってないなー、ぶれないなーと思っているのですが、それだけになんかこういうそれなりの長さで小説というのを読むと、どうもこそばゆい感じがしてしまって、なかなかまともに読めないのです。そういえばサーラシリーズの時も「なんだか気恥ずかしいなぁ」と思ってた気がします。
なのでどうもどう評価していいのかわからないところがあります。
とりあえず内容については下巻を読み終えて書くとして*2、さて小説として読んでみてどうだったか、とすると、やはり残念ながら文章が上手とは言えませんよね。少なくとも小説の文体としては。
まあそういう読み方するものじゃないっていうのはわかっているし、本書の魅力はそういうことじゃないんでしょうね。その辺りは下巻読み終わればわかるだろうなと期待はしています。
ただまあこれだけは先に書いておきますが、遺伝的アルゴリズムとかALとか、若い時に熱狂してそこそこ失望もしてしまった身としては、今更この題材でこういう真正面な提示のされかたをみると、もうそれだけでちょっと萎えてしまうんですよね。医学生や生物科の学生が「パラサイト・イヴ」とか「ブレイン・ヴァレー」を読んでしまったときの気まずさみたいな感じ。間違ってないしむしろ正確なのに、なんだろうこの「きっとこれは正確に伝わらないぞ」という絶望的な確信は、みたいな。
でも話は面白い。どう結末をつけるのかにもとても興味がわきます。というわけでさっそく下巻を読みます。