精霊探偵

精霊探偵 (新潮文庫)

精霊探偵 (新潮文庫)

せつな系タイムトリップの名手梶尾真治の作品。文庫になってました。

以前図書館で手に取って導入部分だけちょっと読んだんですが、いつものように切ない話になりそうだったから、その時は体調というか心調があまり良くなかったので回避してました。というわけで今度は涙腺の許容量に気をつけながら、よしっと気合を入れて読み始めました。

が、その予想はまるっきり外れてました。もともとSF、というかファンタジックな方向に話が振れがちな作家さんですが、本作は導入部から予想されるような話の展開からどんどん離れていって、なんか活劇チックな方向へ……しかも幼女属性まで盛り込まれています。正直ポカーン。

予想していたようなウェットな話ではなく、妙にあっけらかんとした話でした。終幕に大きなどんでん返しがあるのですが、ストーリ展開のほうに気を取られて、「あーそうだったんだ、へー」と言うしかないような。まあなんかさっぱりした読後感です。

でもなんだろうなー、泣く気まんまんで読んでただけに豪快に肩透かしをくらってどうしていいのかわからない。