第二十九回 喜多流 青年能

目黒の喜多六平太記念能楽堂喜多流 青年能を鑑賞。

以前お能3曲にくらべれば少し控えめになりましたが、今回もすごいボリュームでした。とりあえず演目。

  • 仕舞 桜川/田村
  • 能 巴
  • 狂言 文山賊
  • 仕舞 富士太鼓
  • 能 須磨源氏
  • 祝言

巴は2度目(夜桜能で観世流のを鑑賞)、他はどれも初めて。

今回は脇正面、つまり舞台の横から観る席で鑑賞してみました。なんか通はこっちから観るらしいよということだったのですが、確かにいつもは気がつかないところをみることができて面白いです。ただ演技や舞自体はやっぱり正面から観ることを前提にしてるから純粋に作品として鑑賞したい時は正面のほうがいいかもしれませんね。

脇正面からみてほぉーと思ったことのひとつに小鼓の打ちかたがよく見えたことがあります。あれって側面の紐の部分を掴んで肩の前に構えて打つんですけど、あの紐をぐっと握って絞ることで鼓の皮の張り具合を調節しながら打つことで音色に変化を持たせてるんですね。高音で硬めの「カッ」て音を出す時は握ったまま打って、音を深く響かせる時は緩めた状態から打った瞬間に握ったり、微妙にビブラートをかけてたり(ギターで言えばベンディング?)、あとたまに握った状態から打つ瞬間に一気に緩めてポンと抜けた音を出したりも。正面からではそこまではわからなかったので、なんとなく皮の打つ場所と強さで調整してるのかと思っていました。

今回はっきりわかりました。お能は本気できくとすごく体力を使うので、一日に一曲がいっぱいいっぱいですね。源氏物語に取材した曲はいくつもありますが、須磨源氏は光源氏自身がシテになるという点でちょっとおもしろい曲なのでとても楽しみだったのに、ちゃんと聴くことができませんでした。残念。