ruby-trunk-changes r54000 - r54006

今日は odaira さん無双で AIX 向けのマシンスタックサイズ計算の修正やテストの skip 追加などがありました。また数値のリテラルの "-" の扱いの変更(-@ メソッドを呼ばなくする最適化)もありました。

odaira: r54000 2016-03-05 03:14:18 +0900

マシンスタックのメモリアドレス範囲を取得する get_stack() の AIX 向けの実装で pthread_getthrds_np() からスタックサイズのために __pi_stacksize ではなくて __pi_stackend と __pi_stackaddr の差を利用するようにしています。 AIX では __pi_stacksize が小さめに出てしまうそうです。

svn: r54001 2016-03-05 03:14:19 +0900

version.h の日付更新。

odaira: r54002 2016-03-05 07:20:56 +0900

zlib のテストで _LARGE_FILES マクロの影響が zlib のヘッダに効かない(これは拡張ライブラリ zlib ではなくそのリンク先の zlib ライブラリの不具合)のため通らないテストがあるので AIX では skip するようにしています。

odaira: r54003 2016-03-05 07:43:31 +0900

AIX での nexafter(3) の既知のバグによるテストの失敗を skip するようにしています。

odaira: r54004 2016-03-05 09:29:39 +0900

今度は AIX の getsockopt(2) で第5引数が実際のバッファサイズに変更されないことによるテストの失敗を skip するようにしています。

odaira: r54005 2016-03-05 09:54:17 +0900

AIX で getaddrinfo(3) の IN6_IS_ADDR_V4COMPAT と IN6_IS_ADDR_V4MAPPED の対応の不具合があるそうで socket の対応するテストでも skip を追加しています。

nobu: r54006 2016-03-05 10:33:04 +0900

parse.y のリテラルにマイナス記号がついている時の処理を rb_funcall() で -@ (単項の-)を呼び出していたのを Bignum, Rational, Complex について直に関数を呼び出す(Rational と Complex については再帰的に negate_lit() を呼んでいる)ようにしています。これって -@ を再定義していてもリテラルについては効かなくなるってことでしょうか。