青山能 三輪

表参道にお能を鑑賞に行ってきました。

演目は以下の通り。

* 仕舞 「二人静
* 狂言 「雁大名」
* 能 「三輪」

二人静」は是非観たい曲です。今回は仕舞(舞囃子)ということで面・装束はなくシテの舞の部分だけ。といっても「二人静」のクライマックスは静御前のとりついた菜摘女と、静の亡霊とが同じ舞を踏むというものなので、二人での仕舞。ちょっとめずらしいかも。今度はちゃんと能の演目として観たいものです。

「雁大名」は京での用事を終えて故郷に帰る前に、世話になった人をもてなそうと酒肴を買おうとするのにお金をまったく持ってない大名と太郎冠者が一計を案じるという話。おもしろかったがなんかオチがなかった。どうでもいいけどあんなに一文無しで普段の生活は成り立つのか? あとお金の単位らしきものとして「300ひき」という言い方をしていた。「三百疋」らしい。ふーん。

「三輪」は三輪明神の話、でいいのかな? 古事記とか日本書紀に取材した内容で、後半には天の岩戸の話まで出てきます。あまり人間ドラマ的な要素とかはなく、少々地味というか素朴な印象の曲でした。成立は中世なのでしょうけど、話の内容自体はかなり古い時代のもののようですね。

そして舞台の後で装束についてのお話を聴くことができました。この日は摺箔(すりはく)について。いわば下着なのですが、こだわる人はこだわるんでしょうね。金箔銀箔(時には白金箔を使うこともあるそう)をはったもので、汗をかくとはがれやすくなってしまうので汗かきの人や、暑い夏場は金糸織りの別の素材のもので代用するとか。能の世界は奥が深い。