能 空蝉

横浜能楽堂にて、源氏物語千年紀を記念した連続公演の最終回。今回は宝生流による「空蝉」。これは100年前に廃曲にされたというものだそうなので、今日復曲して100年以上ぶりに舞台にかけられるということで、またまた大変貴重な経験でした。

話の筋はおおむねテンプレート通り、旅の僧が女性の霊にでくわして以下略。ただ前場では前シテもワキもほぼ座っているだけで、地謡ストーリーテラーになるというのが少し変わっているかも。
後シテは薄紫の長絹*1で太鼓なしの大小序ノ舞。

非常に緊張感のある公演でした。やはり声の通りがとてもよくて、囃子方との調和がすばらしかった。宝生流お能はおそらく初めてでしたが、どことなく格調高いというか、きちっとしているような感じ。
後場での舞はもうなんかみてるほうが緊張が伝染してきてしまって、短かい曲ながら終わったらふーと息をついてしまうような雰囲気でした。

*1:これはシックだけどすばらしい色合いでした