草迷宮・草空間

草迷宮・草空間

草迷宮・草空間

1985年に発行のしかも単行本。絶版で入手困難。普通ならまず手にとることのないだろう条件の作品ですが、奇跡の作品とか幻の漫画家の最後の作品とかやたら絶賛ばかりのレビューに感化されてしまって、気がついたら Amazon の古書コーナーでポチっとしてしまいました。はじめてのことでちょっとどきどきしましたが、昨日届いたのがきれいな本で安心しました。発送通知のメールが今日来たっていうのは、まあご愛嬌。

きれいな本、というのは本自体がよごれていない、というだけではなくて、装丁もなかみも「きれい」です。画が。

動きだし命を持つ人形という要素から「イノセンス」なんかと並べて語ると頭がよさそうに見えるかもしれませんが、これは出発点も着地点も違うところにあると思ったのでそっち方面はやめにします。この作品において人形が動くことは極シンプルにファンタジーとしてであって、ガジェットのひとつに過ぎないのだと思います。描かれている本当のテーマはもっとおそろしいところに根付いていて、おそろしすぎるのでどうやらわたしの頭はそれが何なのか直視することを許してくれないようです。なのでそれがなんなのかはわかりませんが、こいつはかなりキケンな作品です。できるだけ体調のよい時に読みましょう。

ま、単純に幼女フェチ向けとしても「キケン」かも。「ねこ」がかわいすぐる。